つまみぐい

つい、手がのびた。

蛙の声いとあはれなり

今年のGWは10連休をいただいていて、そのほとんどを里帰りで過ごしている。
主人の地元である愛知に3泊(主人は6泊?)、私の地元である石川県に5泊(主人は4泊)。
今までになく長い帰省だ。

この時期の帰省は丁度田植えシーズンとかさなっていて、周辺に田んぼが多い実家にいると冬眠から目覚めた蛙が夜一斉に鳴き始める。
大通りから少し入ったところにある実家の周りは夜になると静かで、特にテレビの音もない風呂場や自室にいるとその大合唱が私には何とも心地良い。
多分、雑音にしかならない人もいるとは思う。

子どもの頃、何故だったか祖父が家に泊まりにきたことがあった。
滅多にないことだったのと、夜和室に寝転がった祖父が蛙の声に「あぁ、いいなぁ」と呟いたのを覚えている。
私の記憶する限りでは祖父の家付近でこんな蛙の大合唱を聞いたことはないのだけれど、祖父の記憶のどこかにはこの声を懐かしく、心地良く感じさせる記憶が眠っていたのかもしれない。

ちなみに主人の実家の周りでも蛙の声をよく聞いた。
ブォン、ブォン、とライトセーバーを振り回したような切れ切れの音が、それだった。
牛蛙?蝦蟇蛙?
池の畔に鴨川よろしく等間隔に並んでいた彼らは亀と見間違うほどの大きさだった。
驚く私に、主人も姑も、あぁいっぱいいるでしょ?と笑いかえすだけだった。